Vol.60 アジアの医療ビジネスについて
皆さん、こんにちは。 シャラク代表渡部です。
今回は、アジアの医療ビジネスについてお話しします。
日本だと「医は仁術」であり、ビジネスとして捉えられることを多くの人が 忌避していますが、
海外では医療は高収益の成長産業です。
以下のニュース(昨年7月)は、その最たる例です。
※幾つかの媒体で記事になっていたので、ご記憶の方も多いかと思います。
「アジア最大の民間病院運営グループであるIHHヘルスケア(本社マレーシア)は 25日、
クアラルンプール証券取引所などに上場する。
資金調達額は62億リンギ(約1500億円)。株式市場が冷え込むなかで
今年の世界の 新規株式公開(IPO)では米フェイスブック(調達額約1兆2千億円)などに 次ぐ
3番目の大型IPOとなる。
調達資金を元手にアジアや中東などの新興国で富裕層向け医療サービスを拡充する。
公募価格は仮条件のほぼ上限の1株あたり2.8リンギに設定した。
企業価値を示す株式時価総額は5700億円。
同社はマレーシアの国営投資ファンド傘下にある病院経営を中心とする
事業持ち株会社で、 三井物産が20%超の株式を保有する。
アジアで30カ所の高級民間病院(合計4900床)などを運営し、
2011年12月期の売上高は前年同期比2.7倍の33億2800万リンギ。
シンガポール取引所にも重複上場する。
中核はマレーシア、シンガポールにトルコを加えた3カ国。
それぞれアジア・中東で周辺国からの航空路線が集まるハブ(中継拠点)であるのが 特徴だ。
新興国では経済発展や資源高を背景に富裕層が増えている半面、
高度医療を手掛ける医療体制が整っていない。
IHHは優秀な医師を内外から集めて定期健診から、がんや脳、心臓手術といった
高度医療までを提供。
シンガポールに今月開業した新総合病院には 入院費1泊80万円の病室があるほか、
空港への送迎などサービスも充実させている。
上場をテコに巨大な中国、インド市場への展開を本格化する。」 と、
ここまではスケールが大きく、ダイナミックな話なのでワクワクさせられるのですが、
この後に 「一方、株式会社による病院経営が厳しく規制されている日本への進出は当面、
想定していないという。」 という日本の駄目さ加減が露呈する残念なオチがついてくるのでした。
アベノミクスの3本目の矢に期待したいところです。
渡部